平和

夕暮れ時、家に帰る途中であろう親子を見かけた。

 

手を繋いで、親子で何か口ずさみながら歩いている。

 

暖かい季節だからか、陽が長くなったからか、何とも日本らしい微笑ましい日常のひとこまに見えた。

 

この「日本らしい」という部分には今まで、当たり前のように紡がれてきた平和が含まれていると思う。

 

不穏なニュースや不愉快な挑発や威嚇によって、今まで生活に息づいていた平和がどこかへいってしまうのではないかと不覚にも思ってしまった。

 

実際、起こる確率はかなり低いだろうが、その可能性がゼロではないのが何とも言えない。

 

そんなことが杞憂に終わればいいなぁと思いつつ、日常レベルではそこまで脅威は迫っていないというギャップの激しさというか、日本人の平和ボケさというか。

 

差し迫った恐怖はないものの、何か起こった際に冷静な判断、行動が取れるかと言われれば中々難しいことだろう。

 

頭の片隅にでも、この平和は当たり前ではなく、ありがたいことだと感謝しつつ、行動も考えておきたい。

出張デビュー

入社して、およそ3週間が経過した。

まだまだ、覚えることばかりで、役にもたっていない。

 

そんな、私に上司との出張同行という任務がはやくも回ってきた。

 

名刺交換、メモ、身だしなみ、そんなところだろうか。

 

いやぁ、もうひとつミッションがあった。

 

運転。

 

最近、会社の車ばかりでなく、自家用車でさえも擦るという失態をしでかしていたので、かなりの不安があったのだ。

 

まぁ、やらかしちった…

 

危うく事故、事故。

 

追い越し車線のなくなるところで、強引に入ろうとしたら、真横を走る走行車線の車に鳴らされました。

 

上司にも「大丈夫?」と心配されるほど…

 

まぁ、幸いにも事故にはならなかったのでよかったが、これからも車の運転には注意が必要だと再認識した出張だった。

 

取引先訪問は上司についていっただけなので、注意や叱られることもなく、ただ、相手の製品や駆け引きといった勉強は必要だと思った。

 

私も磨けば光るのかねぇ。

 

また、仕事の一週間が始まる…

爽やかな朝

昨日の大雨とは大きく異なり、初夏をも思わせる光が木々に降り注いでいる。

 

いつもは、また仕事の朝かなんと思いつつバスに揺られているのだが…

 

これだけ天気が良さそうだと気が乗らない出勤にも力を分けて貰えるんではないかと思ってしまう。

 

今日は少し暑くなりそうだ。

赤ちゃんマジック

つかつかと、人をかき分け、優先座席を勝ち取ったおじさんはいつの間にか立ち上がって赤ちゃんのいる席の前にいた。

そして、にっこりと赤ちゃんに向かって微笑んでいた。

 

当の赤ちゃんはおじさんにも目もくれず、電車に揺られていた。

 

先程まで無愛想に見えたそのおじさんも、赤ちゃんに満面の微笑みを向けていたと思うと、やはり赤ちゃんは無条件に人を明るくする力を持っている。

 

まるで赤ちゃんの魔法だ。

 

赤ちゃんがもたらした日常の温かいひとこまをこうして残してみた。

 

ただ、実際に目にすることを言葉のみで伝えるのは難しい。

 

もっと、あなたが容易に想像できる、そんな文章を書けるようになれたらなぁ

 

いつの間にやら社会人

すんなりとタイトルは思い浮かぶのだが、中々本文が決まらない。

 

この事については新社会人が書きまくっている鉄板のネタであることは重々承知である。

 

 いやはや、新年度も一週間と少し過ぎて、朝の時間にも春休みを終えた高校生や中学生も見られるようになった。

 

私の会社はというと私が入社しても変わらぬ通常運転で、私の配属された部署もほとんど代わりないと思う。

 

ただ一人、ぺーぺーが入ったので、教えないといけないことがあって、業務に支障がでるのだが、それは先輩や上司に迷惑がかかるだけで私はどうしようもない。

 

早く仕事を覚えないとと思いつつ、生来のんびり屋の私なので、端から見ると急げ急げと思って空回りしているのではないだろうか。

 

とは言え、覚えることくらいは好きなので、業務を覚えつつ、過程のみ覚えるのではなく、その業務の意味や内容理解しないといけないのは中々難しい。

 

まだ、始まったばかりだが、競争相手がいないので自分なりに目標を定めて頑張ろうと思う。

 

忙しすぎる上司を横目に、いそいそとほぼ定時上がりをしてきた私は今日も雨に降られずよかったと思ってしまった。

 

ただ、何かと研修が短い気はするが、全てが実践だと前向きに考えていけば何とかなりそうだ。

第2章:治らない胃痛

旅行初日のマッキー味のクッキーを食べて、不調になった以外に体はいたって元気だった。

 

そう食欲を除いて…

 

ヨーロッパの食事が合わないとか嫌いとかそういったものを抜きにしても、胃が食べ物を拒否していたのだ。

 

食べるとまた吐くのではないか、吐きたくないから食べない、食欲もほとんどない。

 

1日目の昼食もレストランで出された美味しそうな料理の数々には手をだせず、最初の冷製スープとサラダで限界だった。

 

その後も調子は一進一退をしながら良くなりそうな兆しが見え始めたのだ。

 

確か、3日目か4日目…大分状態は好転しているように思えた。

 

 そこで、調子に乗って、夕食にお酒を飲んだ。

ピッチャーででてきたサングリアを飲んだ。

 

友達は沢山飲んでいたが、彼はというと、

ほろ酔い気分になりつつも、お腹の変化を捉えていた。

 

次の日、異常はなく快調に向かっていた。

 

また、そこで彼は油断した。

調子にのってビールを飲んだ。

 

確実にやられた…

 

寝る前から悪酔いの雰囲気がした。

 

 何度も目が覚め、大便までしてしまった。

 

朝起きるとやはり、気分が悪い…

 

 だが、胃以外は正常だから端から見ると

「こいつ、食べ物残してばっかりやん。もしかして好き嫌いあるのに海外来たんちゃう?」

みたいな声が聞こえてきそうだった。

プロローグ:トイレジャック

その時、彼はトイレで蹲っていた。

 

遡ること約1~2時間前…

 

遅めの晩御飯の前に軽食を挟むため買ったお菓子。

 

日本のそれとは全く異なる風味がする危険なものも数多く存在する。

 

彼の友人である太郎(仮名)が買ったお菓子はまるで、マッキー(油性の太ペン)の臭いが漂う代物。

 

間違いなく危険なもので、完璧に外れのものである。

 

無論、食べなければよかった話だ。

 

そんなものを調子に乗って、食べてしまった彼が悪いのだ。

 

彼は外国のお菓子と甘いピーチティーにやられたのだ。

 

話を冒頭の場面へ戻そう。

 

彼はひたすら吐き気と戦っていた。

 

友人である太郎と次郎(仮名)も心配していた。

 

飛行機の晩御飯が出て食べ終わるまでは…

 

トイレに籠って吐くか吐かないかギリギリのところで死闘を繰り広げていた彼と違って、

友人たちは飯を食ったら眠くなって寝ていた。

 

彼はそんなことに落ち込む余裕すらなくトイレに籠った。

 

何回トイレにいったのか覚えていないくらい席とトイレの往復をした。

 

食事が出た際には約40分くらいトイレに占拠した。

 

 

機内のトイレをほとんどジャックしていたと言われても過言ではないくらいに…

 

ここから海外の旅の幕が開けた。

 

続く…