通勤タックル

朝は闘いだ。

皆がみな、思い思いのポジションや、位置取りに感覚を研ぎ澄ませ、飛び込んで行く。

 

「発車間際の駆け込み乗車は大変危険です。次の電車をご利用下さい。」

などと電車の車掌は言うけれど、

当の本人はこの電車を逃すと遅刻してしまうかもしれないのだ。

 

それくらい本気のタックルだ。

 

あーぁ、そんなもの受けたくない受けたくない。

 

だから私は次の電車に乗る。

 

 

 

あれっ、それでも変わらないんじゃないの?

と思ってくださったそこのあなた!

 

実は次の電車はひとつ前の駅が始発なのだ。

 

さすがに座れはしないが、ぎゅうぎゅうに押し込まれることもなく、涼しい顔をして立っていられる。

 

なんなら隣のおじさまは優雅に新聞も広げられる位に。

 

それを逃すと出勤に間に合う有難い電車には遭遇しない。

 

今日はどんな方の通勤タックルが見れるのだろうか(笑) 

 

 

「駆け込みタックルは危険です。乗客はあなたのサンドバッグではございません。」みたいなアナウンスを少し聞いてみたい。