プロローグ:トイレジャック

その時、彼はトイレで蹲っていた。

 

遡ること約1~2時間前…

 

遅めの晩御飯の前に軽食を挟むため買ったお菓子。

 

日本のそれとは全く異なる風味がする危険なものも数多く存在する。

 

彼の友人である太郎(仮名)が買ったお菓子はまるで、マッキー(油性の太ペン)の臭いが漂う代物。

 

間違いなく危険なもので、完璧に外れのものである。

 

無論、食べなければよかった話だ。

 

そんなものを調子に乗って、食べてしまった彼が悪いのだ。

 

彼は外国のお菓子と甘いピーチティーにやられたのだ。

 

話を冒頭の場面へ戻そう。

 

彼はひたすら吐き気と戦っていた。

 

友人である太郎と次郎(仮名)も心配していた。

 

飛行機の晩御飯が出て食べ終わるまでは…

 

トイレに籠って吐くか吐かないかギリギリのところで死闘を繰り広げていた彼と違って、

友人たちは飯を食ったら眠くなって寝ていた。

 

彼はそんなことに落ち込む余裕すらなくトイレに籠った。

 

何回トイレにいったのか覚えていないくらい席とトイレの往復をした。

 

食事が出た際には約40分くらいトイレに占拠した。

 

 

機内のトイレをほとんどジャックしていたと言われても過言ではないくらいに…

 

ここから海外の旅の幕が開けた。

 

続く…