髪の毛は黒、髭は剃って。
鞄の色もおとなしい色目のもの。
どこにもそんな文言は書かれていないのに、当たり前のようにそれを守る。
…良いことなのか…
外国人の先輩は日本はこうしたところが厳しいと言っていた。
確かにそうかもしれない。
何にも考えなくてもスーツを着ていくし、黒の鞄を選ぶ。
就活の時なんて、季節がいくつ過ぎようともジャケットにスーツ。
確かにクールビズでお越し下さいとはかいてあるもののラフな格好でとは書いていない。
どうせ服装も見られるんだろと思うと無難にフル装備で行っていた。
周りも変わらず同じような格好。
むしろ安心感すら与えてくれる気がした。
でも、今思い返してみると、考える力が麻痺していたのかもしれない。
服装だけでは見られない。中身が大事。
没個性してしまうかもしれない。
同調圧力は少し怖い。
無意識の内に相手や周囲に同一を強調してくる。
先ほどの先輩はこうも言っていた。
「これだけ皆同じだと、リーダーが生まれないね。個性やオリジナリティもない。」
ある種、平和ボケや単一民族だけの弊害なのかもしれない。